スロットリング機能のカスタマイズ


スロットリング機能

※この機能はEC-CUBE 4.2.1から利用できます。

クレジットマスター等への抑止として、スロットリング機能が追加されました。

IPごと、または会員ごとのスロットリングを行うことができます。

本体で適用される対象機能や試行回数等は以下となります。

画面 ルーティング IPベース 会員ベース 備考
会員登録 entry 25回/30分 - 新規会員登録(入力)画面から確認画面に遷移する時に実施
会員登録(完了) entry 5回/30分 - 新規会員登録画面で会員登録を完了した時に実施
パスワード再発行 forgot 5回/30分 -  
問い合わせ contact 5回/30分 -  
注文確認画面 shopping_confirm 25回/30分 10回/30分 バリデーション等が完了し、決済プラグインへ処理を移譲する直前で実施
注文完了処理 shopping_checkout 25回/30分 10回/30分 バリデーション等が完了し、決済プラグインへ処理を移譲する直前で実施
会員情報編集 mypage_change - 10回/30分 ログイン後の画面のため、会員ベースのみ
会員お届け先追加 mypage_delivery_new - 10回/30分 ログイン後の画面のため、会員ベースのみ
会員お届け先編集 mypage_delivery_edit - 10回/30分 ログイン後の画面のため、会員ベースのみ
会員お届け先削除 mypage_delivery_delete - 10回/30分 ログイン後の画面のため、会員ベースのみ
カート内会員複数配送設定 shopping_shipping_multiple_edit - 10回/30分 ログイン後の画面のため、会員ベースのみ
カート内会員お届け先編集 shopping_shipping_edit - 10回/30分 ログイン後の画面のため、会員ベースのみ
管理画面ログイン(2段階認証) admin_two_factor_auth - 5回/30分 管理画面ログイン後の画面のため、管理者ユーザベースのみ

また、プラグインやCustomizeからもこの機能を利用できます。

拡張サンプル

yamlでの設定

以下のようにyamlで設定を行うことで、ルーティングに対しスロットリングが自動実行されます。

スロットリングの制御はipごと/会員(または管理者ユーザ)ごとを指定可能です。

yamlファイルは、

  • Customizeの場合、app/Customize/Resource/config/services.yaml
  • プラグインの場合、app/Plugin/[Plugin Code]/Resource/config/services.yaml

に記載してください。

eccube:
    rate_limiter:
        forgot:
            route: forgot # スロットリングを実行するルーティングを指定します。
            method: ['POST'] # スロットリングを実行するmethodを指定します。デフォルトはPOSTです。
            type: ip # スロットリングの制御方法を設定します。ip, userを指定します。複数指定も可能です。(4.2.3以降は customer ではなく userを指定してください。)
            limit: 5
            interval: '30 minutes'
        entry:
            route: entry
            method: ['POST']
            params:
                mode: complete # 会員登録画面のように、確認画面を挟む遷移をする場合、遷移用のパラメータを指定できます。
            type: [ 'ip', 'user' ]
            limit: 5
            interval: '30 minutes'
        shopping_confirm_ip:
            route: ~ # routeがnullの場合は自動実行されません。
            limit: 25
            interval: '30 minutes'

独自のスロットリングを組み込みたい場合

routeにnullを指定することで、自動実行は行わずRateLimiterの生成のみ行うことができます。

eccube:
    rate_limiter:
        hoge:
            route: ~ 
            limit: 25
            interval: '30 minutes'

コントローラ等、必要な箇所でRateLimiterFactoryをインジェクションし、実装してください。

class HogeController {

  public function index(RateLimiterFactory $hogeLimiter, Request $request) {
    $limiter = $hogeLimiter->create($request->getClientIp());
    if (!$limiter->consume()->isAccepted()) {
        throw new TooManyRequestsHttpException()
    }
  }

既存の設定の上書きを行う

本体、もしくはプラグインの設定は、Customizeで上書きすることができます。

例えば、本体で以下のような設定がある場合、

eccube:
 rate_limiter:
  forgot:
   route: forgot # スロットリングを実行するルーティングを指定します。
   method: ['POST'] # スロットリングを実行するmethodを指定します。デフォルトはPOSTです。
   type: ip # スロットリングの制御方法を設定します。ip, userを指定します。複数指定も可能です。(4.2.3以降は customer ではなく userを指定してください。)
   limit: 5
   interval: '30 minutes'

Customizeで以下のように上書きを行うことができます。

eccube:
 rate_limiter:
  forgot:
   limit: 10
   interval: '60 minutes'

スロットリングをクリアする

スロットリングの結果は、以下のコマンドでクリアできます。

bin/console cache:pool:clear rate_limiter.cache --env=<APP_ENV> 

スロットリング情報の保存先を変更する

デフォルトでは、スロットリング情報の保存先はファイルシステムとなっています。

app/config/eccube/packages/rate_limiter.yml で、保存先を変更することが可能です。

# config/packages/rate_limiter.yaml
framework:
    cache:
        pools:
            rate_limiter.cache:
                adapter: cache.adapter.filesystem

設定方法は https://symfony.com/doc/5.4/cache.html を参照してください。

現在、EC-CUBE/ec-cube#5957 の不具合があり、スロットリング情報の保存先にcache.adapter.doctrine_dbalを選択することができません。 冗長構成をとる場合は、redisやmemcachedを設定してください。

ログインスロットリング

ログインのスロットリング機能については、以下を参照してください。

参考情報

スロットリングの機能は、symfony/rate-limiterを利用しています。
その他のカスタマイズ方法についてはSymfonyのドキュメントを参照してください。

Rate Limiter

更新日時: